木は生物の中で一番大きく育つ
ジブリのトトロに出てきたドングリの木の実は一晩で勢いよくどんどんと大きくなり巨木になり、ジャックと豆の木では雲の上まで届くぐらい大きく樹木が育ちました。
実際ではそこまで急激に成長する樹木はありませんが、自然の環境で育てば、10年、20年の単位で樹木は人間よりさらに大きく、子供が木登りできるほどの立派な大きさになります。
木は自分では移動手段を種子以外持ちませんが、細胞分裂していく生き物の中では象より鯨よりも大きくなることができる生物なのです。
現在、都市をデザインする発想での計画では街路樹が電線にかからないように、大きく育っても通行の邪魔にならないように計画して植栽を植えていますが、そのような概念がなかった数十年前に植えた街路樹は、樹木と樹木の間隔が狭く大きくなりすぎて、電線や建物に枝があたり、頻繁に剪定をしなくてはいけなかったり、根元が巨大化してコンクリートを盛り上げてしまうこともありました。
そのうえを喋りながら自転車で通過すると舌を噛んでしまうぐらいの凹凸がコンリートの地面でできてしまっているくらい樹木は強く大きく成長しています。
樹木はどこまで大きくなるか?
盆栽は鉢の中で育て養分が抑制されるたけでなく、根の育成も抑制されるために大きく育ちません。伸び過ぎた枝を切り、数年に一度伸び過ぎた根や太い根を切る木をおきくさせないように管理をするためさらに大きくなりません。三代将軍の家光の盆栽が皇居で管理されています。樹齢は約550年ですが、樹高は81㎝と550年なのに管理の驚異的な小ささです。
恐竜の足跡の化石を調べ足の大きさと歩幅を計算するだけでなく、体の一部の化石からでも恐竜がどのくらいの速さで走ったかが、地面からの衝撃力に筋骨格のシミュレーションなど、最近の研究でわかるらしく、ティラノサウルスは最高速度28kmで走っていたようです。
さて、樹木はどこまで大きくなれるか?ということも研究でわかるらしく、木の組織と重力を計算して条件が合えば130m程度までは可能ということです。
しかし、そこまで大きくなるまでに害虫や病気、自然災害や伐採があるためそこまで大きい木は世界中でも確認できてません。
特に巨木になると伐採での壁が多く、日本でもお城やお寺の建築では木材を使用しています。古来からの木の力のご利益のため、お城やお寺の柱のため大きい木はほとんど伐採されてしまっています。最近、消失してしまった首里城は正殿の柱に前回の修復で樹齢300~500年大径のヒノキを約100本使用しています。
観光立国日本の政策もあり寺社や宮殿、城郭、天守閣の復元が盛んですが、大径の木材は世界的に枯渇し、薬師寺の伽藍再建にはタイワンヒノキ、興福寺の中金堂再建はカメルーン産のアフリカケヤキ(アパ)を使用しています。
130mというと30階のビルの高さです。木は伐採や自然災害など避ける機会に恵まれれば巨木になるくらい大きくなるのです。
世界と日本で高い木はどれくらいの高さ?
現在確認されている世界で一番高い木はアメリカのカリフォルニア州州立公園にあるセコイアで115mもあり、ハイペリオンと名前が付いています。世界一高い木を見るための観光客から木を守るためにハイペリオンの正確な場所は公表されていません。
では、日本ではというと、御神木という考えがあり、樹齢の経っている巨木は神様が宿る木とされるため天守閣、寺院の建造の柱に人間以上の力にあやかるため建築材として利用されてきました。ほとんど伐採されているため、現在は百年後、数百年後の補修工事のために樹木を育てている途中です。確認されている高い樹木では林野庁が2017年に発表した京都の国有林にある杉の62mが日本で一番高い木となります。