ミニ盆栽の挿し木方法

ミニ盆栽の挿し木方法

挿し木で根を出させよう

盆栽をはじめ、植物を増やす方法は種から芽を出して生長する実生(みしょう)のほかのに、挿し木や取り木、接木で増やす方法もあります。桜のソメイヨシノは親木と同じ性質にするため接木のみで増やします。
ガーデニングの園芸種でも挿し木で増やせる種類が多くあり、盆栽も植物ですので挿し木で増やす方法は一般的でポピュラーな方法です。
特長として実生ほど時間がかからないで増やせる方法が挿し木です。
実生では親木と同じ性質にならない樹木があります。そういう樹木は挿し木で増やします。

葉が小さく、節の間が細かい枝で挿し木をする

樹木は自然界では一度その場所に芽を出し根を張ったら移動することはできません。生えた場所での環境条件に適応し、成長して自らのテリトリーを確保していきます。
毎回どの場所で芽を出しても、日光が浴び放題で、近くに湧き水が出ている場所はなかなかありません。そして、種の保存のため育成範囲も広げなくてはいけません。熱帯多雨から寒帯まで 多種多様 、千差万別 、 多様性のある機構の地域の南下も北上も試みなくてはいけません。
そのためには1種類の樹木でも数十から数百という性質の変化で、その環境下に適切な性質を持ち合わせているか?ということが重要になります。
成長しながら、その場所に適応もしていきますが、同種でも性質や性格を多種にすることで樹木は生存競争に何億年ものあいだ、勝ち残ってきたのです。
同じ種類の樹木でも新芽の色が個体により、黄色、緑、紅色と違うクスの木や、葉の大きさ、切れ込みの深さ、葉の厚さが違うモミジなど、個体の変化があります。
挿し木の場合、土に挿した枝から根が出ますので、挿した樹木の性質がそのまま受け継ぐことクローンと同じになります。大きい葉の性質と特徴をもつ樹木はそのまま葉が大きくなりますので、挿し技に活用する枝は、葉が小さく、節の間が細かい枝を選んでください。

挿し木の最適な時期

葉性や枝打ちの良い樹木があれば、挿し木でどんどん増やしていきましょう。剪定の枝を挿し木すれば木の負担もありません。剪定時の枝は挿し木に利用しましょう。面白い曲がり方をした枝を差せば発根した際には樹形づくりも楽しめます。
1つ挿し木用にプランターを用意し明るい日陰に置き、年間を通し剪定した枝を挿し木にして増やしましょう。
挿し木は、紅紫檀、長寿梅、モミジ、百日紅、黄梅、ツツジ、ボケ、ツルウメモドキ、杜松、杉など挿し木に成功しやすい樹木と、松柏類のように発根しにくい樹木があります。
挿し木の最適な時期は、2つあります。芽を出す前の3月の春挿しと、6月頃の梅雨時期の梅雨挿しです。春挿しは植え替え時の剪定の枝を使って挿してください。休眠中の芽が出る前の枝を使うことで発根しやすくなります。
梅雨挿しは湿度の高い時期なので、挿し木を乾かしてしまう失敗が少ないため発根しやすくなります。

挿し木で発根させるために

挿し木で増やす方法は、枝の節の間が詰まった部分を選び、ハサミで鋭角に切って挿し穂を作ります。緑枝挿しの場合は下葉を取って葉を2枚にします。葉が大きい場合は葉からの蒸発を抑えるために半分程度に切ります。

発根しやすくなるように土に入れる切った枝の挿し口はよく切れるハサミかナイフで木と表皮の間の薄い緑色の形成層をできるだけ多くだすようにくさびの形に切ります。
太い幹の場合は切り口を鉛筆をカッターで切るようにして、形成層をできるだけ多くだしてください。この挿し口を30分ほど水につけておくと発根しやすくなります。

挿し木をする用土は細かい根が出るように、1〜3ミリほどの細かい赤玉土を使用します。
発根するまで、用土を乾かさないようにし、明るい日陰で管理します。形成層が土に密着していないと根が出ないため挿し木が倒れないようにしっかり土に挿しておきます。

根がでたら

挿し木が発根したら、芽が出て葉を出し枝を出し成長します。3ヶ月もたち発根しなかった挿し木は枯れて黒くなります。残念ですが、発根しなかった挿し木は土から抜き破棄します。
プランターで3年育てると根が伸び放題になりますので、1〜2年たったらプランターから鉢に植え替えます。樹種によっては1年でもプランターの中で根が長く伸びています。幹を持って土から抜かず、スコップで掘り起こして丁寧に根を切らないように抜いてください。
直根と太い根を切りそろえ、数年は素焼きの鉢に植え替え、骨格を作っていきます。ミニ盆栽で楽しむ場合は、そのまま小さい鉢に植え替え鑑賞しながら育てていきす。
比較的簡単に増やせる、挿し木で家中をミニ盆栽で埋め尽くしましょう。

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