ミニ盆栽は、なぜ大きくならないで、小さいまま育つの?

ミニ盆栽は、なぜ大きくならないで、小さいまま育つの?
もみじのミニ盆栽

木は生物の中で一番高く育ちます

メイちゃんとサツキちゃんが踊るとドングリの木の実は一晩で勢いよくどんどんと大きくなり巨木になり、ジャックと豆の木では雲の上まで届くぐらい大きく樹木が育ちました。
実際の世界ではそこまで急激に成長する樹木はありませんが、自然の環境で育てば、高木になる種類では5年ほどで樹高は人間よりさらに大きく、10年もすれば子供が木登りできるほどになり、20年ではシンボルとなるほどの立派な大きさになります。
木は自分では移動手段を種子以外持ちませんが、細胞分裂していく生き物の中では象よりもキリンよりも鯨よりも大きくなることができる生物なのです。

同じ年月育てても、盆栽だと小さい

例えば10年成長させると自然の状態で育つ公園や街路樹は人の身長はるかにを超える大きさになるのに対し、盆栽として育てると10センチもいかない小さいままの樹高になります。小さいからといって、成長不良ではなく健康な樹木で、充分元気に育っています。
ミニ盆栽は、なぜ大きくならないで、小さいままなのでしょうか?

ミニ盆栽と樹木の10年後の違いイラスト

樹木は高さと一緒に根の深さも成長します

樹木を含めた植物は一般的に、見えている部分は地上の幹と枝の部分ですが、土の中に隠れて見えない根の地下の部分とのバランスを取りながら成長しています
根が地中を張り巡り水分と養分を吸収し、それを地上部に送り、地上部での光合成の葉緑素の働きで幹、枝、根と植物の体全体を成長、形成させていきます。

ミニ盆栽と樹木の10年後の違いイラストその2

樹木は野山では縦横無尽に根をはることができます。しっかりと地中で根を張り巡らせることで、強い風にも倒木しないバランスの良い骨格を作ります。一般的な樹木は地上に出ている部分より根の部分のほうが大きく育っています。
大きく育っている樹木は同じ分だけ地中で根も大きく育っているのです。
ミニ盆栽のように、小さい鉢で育てると根が大きく育たないため、根に合わせて全体の樹木も大きく育てないことが盆栽が大きくならない理由だったのです。

ミニ盆栽は小さい鉢に植え根の成長を制限させ、吸収する養分も制限させることで、地上部の葉の大きさ、枝の伸びる速度の成長が抑制さます。ミニ盆栽は根の成長をコントロールすることで、10年たっても細かい枝と細かい葉と樹高の小さいサイズの樹木で収まって育っていることになっているのです。

実際のミニ盆栽で根の育成具合をご紹介します。

ミニ盆栽と樹木の10年後の違いイラスト

地上から伸びている幹や枝はまだ細く小さいミニ盆栽でも、鉢から出してみると根は鉢の中で地上で伸びている以上に育っています。

ミニ盆栽と樹木の10年後の違いイラスト

縦横無尽に伸ばしたい根は、鉢の中では伸びる場所が鉢の中に限られるため、鉢に持って伸びたり空いているスペースを見つけて伸ばしていきます。そのため、鉢の中でぐるぐると根を絡ませながら成長していきます。

ミニ盆栽と樹木の10年後の違いイラスト

ミニ盆栽は鉢が小さいため、根が鉢の中いっぱいに育ちます。そのため、2年ほどに1回の植え替えをします。その際に根を一回り小さく切り詰めます。特に太い根や直根は切ってしまいます。
太い根があれば地上でも太い枝が育ちます。太い根を切ることで細かい根が促進されるため、バランスをとり地上部では、太い枝が出なくなり細かい枝が増えていきます。
日頃のお手入れで芽摘みや葉刈りなどの剪定をします。この管理によりさらに大きくなる成長を抑制するため小さい樹高を維持できるようになるのです。

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樹木はある程度樹齢がいけば幹肌は古木の雰囲気をだし、幹はそれなり太っていくので小さくても、魅力のある木の姿を見せてくれることが素晴らしいところです。
そんな樹木を観賞用に小さく育てているのがミニ盆栽です。公園や街路樹ので育ても、小さくミニ盆栽として育っても10年たつと、大きさに10メートル以上と10センチ以内と差が出るのは人間の管理があるか、ないかの差です。
小さくても大きくても水と太陽があれば元気に葉をだし、花を咲かせ、実をつけます。
小さくても、大きい木と同じように自然の移り変わりの姿を見せてくれます。鑑賞して楽しみ、育てて楽しむ。そんなミニ盆栽をはじめてみませんか?

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