ミニ盆栽素材の購入する時の注意点
公園に育っている植物は公園を管轄している市や県の所有物になります。私有地に育っている植物も所有者の個人のものになります。勝手に採取しては犯罪となってしまいます。どうしても採取する場合は深夜にこっそりやりましょうとは言えません。盆栽にする植物は園芸店で購入するのが得策です。
園芸店や盆栽園でミニ盆栽の素材が販売されています。素材なのに数万円近くするものもありますが、発芽から1年、2年ほどの素材なら1,000円もしない素材ばかりです。お手頃価格でも購入した撞木が、元気に育っていけばいいですが、せっかく購入してもすぐに枯れてしまったら勿体無いことになります。
購入する際にチェック事項のポイントを上げていきます。
ミニ盆栽を購入する時期
ミニ盆栽の素材を購入する際は、樹木に葉がある春先から秋にかけてミニ盆栽の種類も数も豊富に出回りますのでこの時期にお気に入りの樹木を見つけてください。一方ケヤキやカエデなどの落葉する樹木は幹や枝の様子が良く見れ、幹に食い込んだ針金の傷がチェックできるので落葉後の冬に入手するというのもオススメです。
花ものは花が咲く前に苗を選びましょう、すでに花が咲いていると鑑賞時にはあとが花が散るだけになってしまいます。そのあとに実を楽しめるものは別ですが、散るだけの花を育てることは楽しみが半減してしまいます。蕾から花を咲かせる過程を楽しむことが盆栽育成の見どころです。せっかくなら花が咲く前に苗を選びましょう。
育てる環境にあった樹木を選びましょう。
育てる環境と樹木の相性を考えて、素材を購入することも大切です。環境が合わなければせっかく購入した樹木も、すぐ枯れてしまいます。ベランダで育てることを想定しても1日に2時間しか日照時間がない環境なら、日当たりを好む樹木は合いません。
北海道でガジュマルのような暖かい地方で育つ樹木を育てたり、エゾマツのように寒い地方で育つ樹木は沖縄では栽培管理が難しく上手に管理できないため、原産地と性質に知り、育てる環境にあった樹木を購入オススメします。
簡単な見分け方は、店頭で温室や室内だけで育てている植物は避けましょう。それは、店外の室外に置いておけば元気には育つことができないため温度管理で室内や温室に置いているということです。外に無造作に置いてある樹木を購入すれば大体はお住いのお庭やベランダで育てて大丈夫ということです。
最近はネットで購入することもあると思います。お住いの場所と離れた地域で育った樹木は気候の違いがありますので樹木選びには注意が必要です。
わからない場合は植物図鑑で調べたり、店員さんに確認してみましょう。
元気で樹形の素敵な樹木を選ぶ
入手する際の気を付けたいところは元気な木を選ぶことです。園芸店や盆栽店では同じ樹種を複数取り揃えています。葉の色や数、葉の勢い枝の細やかさ根の張り方など比べてチェックできます。その中で細かい枝や小さい葉が多いしっかりとした樹木を選んでください。枝や葉の数が多いということは根が充実ししっかり張っているということです。幹や茎がひ弱なものは避けてください。
春先から夏にかけての時期で葉っぱが白っぽいものや黄色いものは病気の可能性があるので避けてください。柔らかいプラスチックのポット苗は管理場所によって風通しや日当たりが悪く枯れかけている苗があるので注意してください。
害虫が付いていない、病気になっていないということも、元気な樹木の重要なポイントです。害虫や菌は主に葉の裏側に付きます。葉の色やツヤのないものは病気になっていることがあります。葉が少なくまばらに苗は元気がないので、葉の緑の発色が良い、ツヤの美しいものを選んでください。
枝の節の間が詰まって、葉の小さいものを選ぶ
プラスチックのポットに生えているとき気にならなくても、小さい鉢に植えた時に葉があまりにも大きいとバランスが悪くなります。ミニ盆栽は小さく作っていきますので、同じ種類の樹木でも性質があります。葉の大きい性質の樹木は鉢が小さくても、芽摘みをして枝を細かくしても葉だけは巨大なままです。バランスが悪くなるので、なるべく枝の節の間が狭く詰まって、葉の小さいものを選んでください。
元気な木を選んでおけば大体は樹木は環境に適応してくれます。それと大切なポイントは樹形の気に入ったものを選んでください。樹形は様々です。何より自分の好みの形状の苗を見つけることが末長く育てていく上で大切です。
購入後のご注意ポイント
購入したミニ盆栽に病害虫が付いている場合があります。ご自宅で複数の盆栽を育てている場合には、すぐに一緒に管理してしまうと病害虫が他の木に付いてしまう事になります。しばらくは隔離政策です。離して管理してください。
園芸店や盆栽園で購入し、ご自宅で育てることになると環境が変わりますので、すぐに新しい鉢に植え替えるのではなく、しばらく環境の変化に対応してもらいましょう。植物にとっては劇的な環境変化かもしれません。優しく見守ってあげることでその樹木の特徴や様子が確認できます。
特に冬場に店内の室内で管理していたミニ盆栽の素材を購入した場合にはいきなり外で管理すると急激な気温の変化で樹木が弱まります。まずは暖房の付いていない室内に置き少しずつ気温に慣らしてください。
購入した盆栽の植え替え
プラスチックの鉢やビニールの鉢に植えられている盆栽を購入した際はその盆栽は植え付けてから、かなりの時間が経過しているものがほとんどです。まずは植え替えが必要になります。根の様子をしっかり観察して、おもしろい曲があれば根の部分を幹として育てる方法もあります。
植え替えには用土をリフレッシュする目的のほか、根の整理をすることが大切です。長い間、植え替えをしないで根を整理していないと太く強い根ばかりになってしまい、樹形が大味になるだけでなく、水分を吸収する細かい根が少なくなり生長が悪くなることもあります。
植え替えの際には細かい根を残して、太い根を思い切って切ってください。細かい根を残すことにより、枝が繊細に豊かになります。
植え替えの時期はおおよその樹種は春がおすすめです。新しい根が出やすい芽が出始めた頃に植え替えることで、盆栽へのダメージも最小限にできます。寒い時期、暑さの時期に植え替えると樹木に負担をかけるので避けてください。
長寿梅など秋に植え替えがオススメの樹種もあります。園芸書でチェックし、最適な時期に植え替えしてください。