ミニ盆栽の肥料は量とタイミングが重要です
盆栽は樹木種類によって、肥料を与える時期が異なります。常緑樹や落葉樹、花もの盆栽や実もの盆栽で時期が異なります。それぞれの種類に適した肥料を与えないといけません、一度に多くの量の肥料を与えると徒長枝や葉が大きくなりすぎ、樹形が大きくバランスが悪くなります、そして、多すぎる肥料は木が弱る場合もあり逆効果です。小さい鉢は土の量、根の量が少ないため土の肥料濃度が高くなり、根を傷めます。イタズラに肥料を与え過ぎると枝や葉がどんどん茂り花や実がつかなくなることもあります。
肥料に関してはこのことを配慮して、一般的に肥料を与える時期は栄養分が不足しがちになる3月~7月中頃の成長期にあたる時期、冬越しの力を蓄える9月中頃~11月にかけて与えます。
元肥(もとごえ)
植え替えの時に先立ってあらかじめ用土中に施しておく肥料です。
化成肥料や元肥用として市販されている緩効性肥料を使います。
植え替え直後は根の整理によって根が傷んでいるので、濃い肥料や速効性肥料は樹木を弱める原因になります。
追肥(おいごえ・ついひ)
梅雨と夏を除く樹木の生育期間中に必要な栄養を補うために継続的に与える肥料です。
元肥を吸収してしまった後に肥料を補うため追肥と言います。元肥の効果があれば必要ありません。
追肥が必要な場合は置肥を基本として緩効性肥料と速効性肥料を併用すると効果的です。
置肥(おきごえ・おきひ)
油かすや固形肥料を土の上に配置します。固形肥料を与えるときは、灌水時に根に直接当らないよう根元から離れた所に置いてください。カビが生えやすい油かすの場合は土に埋めることもあるります。
灌水時に肥料分が少しずつ溶けて穏やかな効果が長い期間持続します。
お礼肥(おれいごえ)
花を咲かせた花もの盆栽や実もの盆栽の花後や果実の落果(摘果)後の消耗した樹勢を回復させるために与える肥料のことです。
樹勢の回復させるために液体肥料や化学肥料などの速効性肥料を与える場合もあります。
寒肥(かんごえ・かんぴ)
冬の寒い時期の多くの植物が休眠期にあるに入る寒中(1月頃)に与える肥料です。
休眠期にある植物は肥料を必要としていません。気温が低い冬は土中の微生物の働きが鈍く、分解も遅くなります。
寒肥は時間をかけてゆっくりと分解され、肥料の効果はゆっくりと効きはじめます。寒肥をしておくと春からの活動に差がつきます。寒肥に適しているものは油かすや骨粉などの有機固形肥料です。
肥料を与えてはいけない時期
盆栽には肥料を控える時期があります。本来は樹木の成長を補助するためのものです。肥料は控えめがいいのですが、特に控える時期があります。
冬期と真夏
真夏の暑い盛りの気温が高い時には光合成が盛んに行われるので栄養過多になりますので肥料を控えてください。
樹木によっては、真夏は成長が少なく、栄養の吸収力も低い時期です。持続性のある固形肥料等の置き肥は控え、速効性のある液肥を使う場合もあります。
真冬の間は生育が停止している時期です。樹木は光合成をしてからでないと肥料の養分をエネルギーとして変換できません。根が活動していないので肥料を与える必要はありません。
梅雨期
梅雨の時期などはせっかくの肥料が流れ出してしまいますので肥料を控えてください。
花芽分化期(7月下旬~8月頃)
肥料を控えることで枝の徒長を防ぎます。植物自体の光合成を盛んにし、新梢を充実させる時期ですので肥料は控えてください。
開花時期、実が結実している時期
花が咲いている時期、実が結実している時期に肥料は控えてください。花のあとに実がつかなくなったり、実は早く落ちてしまう場合があります。
植え替え直後
植え替え時期や剪定をした後の木が弱っている時は肥料を控えてください。この時に肥料を与えると木が弱ることがあります。3週間ほどは肥料は控えてください。