盆栽の王道、くねくねと伸びた樹形の模様木

盆栽の王道、くねくねと伸びた樹形の模様木

樹木の形は性質と環境で決まります

絶えず強い風が吹き続ける海岸沿いの断崖絶壁に生き一方向に枝を伸ばす、吹き流しの樹形の黒松、周りの木よりもちょっとでも高くなるように光を求めまっすぐに天に向かって伸びる直幹の樹形の杉と自然に生きる木の樹形は様々です。
樹木の形はその種がもともと持っている性質のものと、成長していく過程の環境によって形作られていくものがあります。
性質で作られる形の代表として、スギやモミの木などの針葉樹は真っ直ぐに伸びていく直幹の形になり、ケヤキはある程度、真っ直ぐに1本で伸び途中から枝が広がり樹冠が半球状になる箒立ちがあります。

ほとんどの樹木は模様木

その他にも樹木はたくさん種類があり、街路樹、公園に生きる、おおよその街中で見る木は広葉樹が多いため、ほとんどの樹木は、小さく左右に曲がって伸びる模様木の樹形をしています。整えている盆栽のように綺麗に順番には曲がってはいませんが、不規則に左右に曲がって伸びています。
日頃よく目にしている樹形ですので、ミニ盆栽を育てていく上でイメージしやすく作りやすい樹形です。

ミニ盆栽、樹形の王様

模様木の樹形は1本の木でも大木の雰囲気を表現できるので盆栽の王道と言える樹形です。模様とは幹や枝が曲がりうねる状態のことです。太くどっしりとした左右にうねる幹の曲(きょく)がある樹木が理想です。
自然の大木感を表現する樹形の模様木ですが、自然界では根元から幹に大きな曲がある巨木はまずありません。しかし、料亭や日本家屋の襖や屏風、掛け軸にはどっしりと大地に根を広げ厳しい雨風をものともせず、長い年月をかけ左右にうねる荒れた幹に太く育った松が描かれています。あの老松が理想としている模様木を表現しているように、昔から模様木は樹形の王様なのです。

ミニ盆栽を模様木にするには

自然の木ですと、風が強く吹く時に枝が折れないように、風邪を分散させるように枝が伸び、重力に絶えられるようにバランスを取りながら左右に伸びていきます。地中の水分を吸収しやすいように根を伸ばすのでバランスを取るため、伸びた根と同じ方向に枝を伸ばします。そのなことを繰り返し成長することで模様木の樹形になっていきます。
しかし、ミニ盆栽は片手でも移動できるように小さな鉢で育てますので、根が伸びる面積と方向は限られてしまいます。重力の重さで枝が絶えられなくなるほど枝は太くなりません。伸びた枝を切って左右に伸ばしていったり、針金をかけて幹を曲げて曲づけします。
模様木の理想形は盆栽の頭頂部が根元の直線上にあり、根元から徐々に曲のうねりが小さくなる形です。模様木は樹種を選ばない樹形です。幹が細いうちに針金で曲づけしたり、剪定を繰り返し枝を左右に伸ばして、じっくりと時間をかけて育ててください。

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