ミニ盆栽鉢の美しい鉢映り

ミニ盆栽鉢の美しい鉢映り

樹木と鉢の相性を楽しむ

盆栽で木と鉢のバランスをとることを「鉢映り」といいます。鉢映りのよさがよい盆栽の条件の1つとされています。
年代物だったり、有名な作家の作品の高価なもだけがよい鉢で、それ意外は樹木に合わないということはありません。お手頃価格の鉢でも樹木と鉢のバランスがぴったり合えば、素晴らしい盆栽になります。陶芸が趣味の方はご自身で盆栽鉢を作ってもいいでしょう。樹木に合う鉢を探すのも一つの愉しみです。盆栽とは自然を映す小さな自然をつくり、鑑賞して楽しむものです。鉢映りの素晴らしい盆栽を模索してみましょう。

鉢の種類

主に大きく分けて焼き方で3つの種類に分けられます。

素焼き鉢

900度程度の温度で焼いた鉢です。900度というと高温に思えますが、焼き物では低温になります。
陶器自体に空洞が多くあり、空気を含みやすいので、通気性に優れます。冬はあたたかく夏は涼しいので、若木を早く大きくしたり、株を殖やしたりするねのに最適です。しかし、割れやすいのが難点です。
赤レンガ色の駄温鉢(だおんばち)が有名です。見た目に味わいがないので、鑑賞のにはあまり使用しません。

焼き締め鉢

1200度程度で焼いてある陶器の鉢です。土の風合いがそのままなので、泥ものとも言います。
黒から焦げ茶色の無彩色の鉢なので、力強さを表現する素朴な雰囲気を出すのにも、対比で華やかな花をより美しくしたりと万能の鉢です。

釉薬鉢

素焼きをした鉢に釉薬をかけて再び、高温で焼いた陶器です。さまざまな色の釉薬があり、樹木だけでなく鉢も一緒に楽しみます。

良い鉢映りのために

松柏類には焼き締め鉢の泥もの、その他は釉薬鉢を使用する場合が多いのようですが、樹木の雰囲気、形状、花の色、紅葉の有無が、鉢の大きさ、色、風合いとの調和が合っていることが一番です。
鉢の大きさは少し小さいかなと思うくらいの大きさのほうが、うまくバランスがまとまります。
●細く繊細な樹木→→→→→→→→浅く丸みのある優しさのある鉢
●力強い樹木→→→→→→→→→→→角張った鉢、深さのある鉢
●幹が太い樹木→→→→→→→→→縁の付いた鉢
●幹に年輪を感じる樹木→→→角のある四角い鉢
●左右に広がりのある樹木→底の浅い鉢
●懸崖に仕立てた樹木→→→→深さのある鉢

良い鉢映りになるためのポイント

鉢は樹木を育て生命を育む器です。鉢映りと共に重要なのは植物が健康に育つ鉢ということです。値段に関係なくどんな鉢でも樹木が安心して育つことができる育成条件にあった鉢を選んでください。

条件にあうポイントは

  • 水は排出されるための底に穴が空いている鉢
  • 根の呼吸が妨げられるため内側に釉薬のかかっていない鉢
  • 安定性の良い鉢
  • 鉢の下に足や縁が付いて水が鉢の下にたまらない鉢

鉢がよくても樹木に元気がなければ、鉢映りもよくありません。樹木と鉢が両方いきてミニ盆栽です。上のポイントを考慮し元気な樹木に育てて、自然を映す小さな自然美をつくり、鉢映りの素晴らしい盆栽を模索してください。

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