ミニ盆栽とコケは相思相愛
ミニ盆栽とコケの相性は抜群です。ミニ盆栽もコケも相乗効果で素晴らしい景観を見せてくれます。コケの細やかさにより樹木の大木の雰囲気が演出でき、年月のたった古木の壮大さが醸し出されます。
小さい緑色で可愛らしいミニ盆栽を引き立ててくれる植物のコケ。
一般的に苔と呼ばれますが、学術的には蘚苔類、蘚苔植物と呼びます。その種類は世界中で約2万種が記録され、日本では約2500種が生息しています。ほとんどの種類が緑色で、多年生の常緑です。そのため冬に枯れることがなく上手に育てると1年を通じて緑を楽しむことができます。
日陰の薄暗くジメジメした場所に生えているイメージの苔ですが、他の植物と同じように生きていく養分を光合成によって作り出すため、明るい場所で日光がないと生きてはいない植物です。
小学生の頃に学んだコケを復習
コケはタネで増えるのではなく、胞子嚢に作られる胞子によって繁殖します。
コケの祖先は一生を水の中に過ごす藻類の一瞬の仲間だと考えられています。コケは陸上の中でもっとも原始的な植物です。コケは種子植物、裸子植物とは違い、水分を素早く吸収する葉と茎がはありますが、根は備わっていません。仮根と呼ばれる根に見えるヒゲのようなものがありますが身体を固定させるためにあって水を吸収する働きはありません。
仮根は簡易的に身体を支えるためにあるものでしっかりと根を貼ることはないため、多くのコケは集まって密集して生え、お互いを支え合うことで倒れないように支え合い、倒れないように固定しています。
また、こけには水分を貯めておく期間がないためお互いに隙間に水分を貯めておきます。
コケの入手方法
コケはもののけ姫がいたような、山奥の綺麗な森だけではなく、よく見て観察すれば、近くの公園や道路の端っこやマンホールの隙間など、街中のいたるところに生えています。
そんなところから採取して手に入れましょう。また、園芸店や大型のホームセンターで取り扱っていたり、インターネットでのネットショップでも取り扱ってます。
近所で採取したコケやネットショップで取り扱っているコケはコケの特徴を知れば、比較的簡単に栽培できます。コケはまずは、見た目で気に入ったコケを選んで、特徴に合わせお手入れしてみましょう。
コケのお手入れの道具
コケは光合成をする植物ですので水が必要です。鉢の大きなコケ盆栽やミニ盆栽と同じ鉢の中にコケを育てる場合にはジョウロを使用しますが、小さい鉢でコケだけを育てる場合は霧吹きがあると便利です。
コケを貼ったり、摘んだり、小さな雑草を抜き取る時に便利なのでピンセットを用意するとコケのお手入れ時に便利です。
コケとミニ盆栽
熱帯魚を飼育する場合は、水槽の底面を泳ぐコリドラスに、中層を泳ぐネオンテトラ、上奏を泳ぐハチェットフィッシュと魚の性質を利用して飼育する場合がありますが、盆栽も眩しい緑の上部、大胆な曲線を見せる枝り中部、しっかり土から伸びる下部の根張りと木の全体を見せたいところです。
しかし、ミニ盆栽の場合は八方に張った根元になるのでは、長い年月が必要になります。そんなちょっと寂しい根元のミニ盆栽にはコケが良いアクセントになります。
コケでのカモフラージュを使い、表土を覆って美しく見せたり、古さを表現できます。また、丘陵や高原、孤島などの景色を表現する役割もできます。
見た目の美しさもありますが、さらに表土の乾燥を抑え、保水するといった機能と、水やりをした時の用土のこぼれを防ぐ機能もあります。
代表的なコケ
ハイゴケ
毛足が長くふんわりと柔らかい触りこごちをしています。コケの中では比較的、乾燥に強く日陰になる時間帯がある、日の当たる場所を好みます。コケ玉に用いられます。初めてでも育てやすいコケです。
スナゴケ
乾燥していると葉は閉じていますが、水分を含むと星型の葉を広げます。乾燥に強く日陰になる時間帯がある、日当たりの良い場所を好みます。乾燥と多少の直射日光にも強いコケです。