盆栽の手引書、育て方の本を読んでいると、日頃聞きなれない盆栽特有の言葉が出てきます。よく使われるものと各部分の見所をご紹介していきます。
一の枝(いちのえだ)
根元から一番近いところから伸びる枝の事で、長く太いほど安定して本格的な盆栽に見えます。この枝から幹の先端まで伸びる順番にニの枝、三の枝と呼びます。
根元から枝を左右に出しながら上に伸びるに連れてだんだんと細くなり様が理想とされ、幹のこけ順が良いと言われます。根元から極端に先に行くほと細くなる樹形が、鉢の中で樹木が小さいながらも、大きく高い大木感に見える錯覚を起こすためにこけ順が良いことが理想とされています。
枝ぶり
理想とする樹形は根元から上に行くに連れて、枝が短くなり全体の樹形が不等辺三角形になっていく均一の取れた状態に枝が細かく付いていると枝ぶりが良いとされます。
美しく手入れの整った枝ぶりを目指すミニ盆にとって、枝、また枝と枝の延び方の関係性として、見栄えのよくない忌み枝と枝の延び方があります。その忌み枝がないことも良い枝ぶりの条件となります。そんな忌み枝を上げていきます。忌み枝は全体のバランスと調和が取れなくなってしまうため、剪定で切って整えてください。
閂枝・かんぬきえだ
幹の同じ高さのところから左右に出ている枝のことです。左右に順人の枝がでるところが美しいので、槍や矢で体が貫通しているように見えるところと、ありそうですが自然界では滅多に見られない幹から枝の延び方なので昔から避けられている枝の形状です。
絡み枝
枝が伸びて他の枝と絡んでしまっている枝のことです。豪傑に繊細に伸びていく枝が理想とするミニ盆栽は避けられている枝の伸び方です。公園の樹木でも山の樹木でも、太陽を求めて枝を伸ばしていくので光合成ができなくなる、枝が絡んで伸びていく枝は自然界ではありません。ミニ盆栽ではみつどか高いため頻繁に絡んだ枝がどうしても出てしまいます。
逆さ枝
他の枝とは逆向きに、または幹の中心に向けて、下向きに伸びる枝のことです。外に向かって伸び伸びと伸びる様子が理想で美しいミニ盆栽において枝の伸び方に反した方向の枝は調和がなくなってしまいます。自然界の場合は逆さ枝がででも風邪の流れや枝の重量により自然に矯正されます。
裏枝(うらえだ)
幹の後ろに伸びる比較的に短い枝で、奥行きや立体感を出す枝のことです。
樹冠
幹の先端部に近い枝葉部分の呼び名です。茂りのバランスの取れたボリューム感があることが良いポイントとなります。
樹高
樹の高さの事です。盆栽では土に入っている部分から幹の先端までいいます。
樹芯
幹の最も先端部の事です、樹木の最も成長している枝の先端です。
立ち上がり
根元から幹なる部分の事で、幹の太さと調和し、程よい曲線で根から幹へとカーブを描く時容態が理想的とされます。
根張り(ねはり)
土から地上に出ている横方向に伸びる根の事です。幹の根元にしっかり力強く八方に根を張る八方根張りが理想とされ、八方に延びた力強さの美しさの様を根張りが良いと言います。
地上の上の根部分にボリュームが出るには長い年月がかかります。雄大に見える太さらなるまでが大変ですが、充分な風格さえ出てしまえば地上部がどんなに不格好でも、貧弱でもそれなのものに見てしまいます。とは言えませんが、それだけ根張りの美しさは全体の樹形の基本と装飾になる部分です。